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感動と驚きの仕掛け人vol.2|「かいじゅうせかいせいふく」の作者に聞く(2)

インタビュー

「かいじゅうせかいせいふく」作者 ほしのこ(株式会社壽屋 企画チーム)

 

コトブキヤ初のオリジナルファンシーキャラクター「かいじゅうせかいせいふく」の生みの親・ほしのこのインタビュー、今回はその2回目です。企画という仕事への向きあい方を聞きました。

 

1回目の記事はこちらからどうぞ。

    (1)「女性向け市場への新しい取組」として考えたコトブキヤ初のオリジナルファンシーキャラクター

 

 

企画という仕事こそ、コミュニケーションが大事

 

―ところで、壽屋には中途入社でしたね。

そうなんです。
(新卒で入った)前の会社もホビーメーカーで、企画開発の仕事をしていました。
でも、満員電車に乗るのが苦手で、毎朝とても早く出勤して仕事をしていて。結果、疲れちゃったんです。
こんな仕事の仕方も若いうちだけだなあと思って、3年勤めて辞めました。
次も同じ業界で働きたいと思って探していたんですが、壽屋は募集が出ていたわけではなくて、自分から「中途採用の募集はありませんか?」とメールを出して、採用され、今でいう「開発チーム」に配属されました。

[山田]そのころちょうど、女性の開発メンバーが1人しかいなくて、会社としても何とかしなくてはというタイミングでした。彼女は、ぬいぐるみの知識もあったので、即戦力として期待されての入社だったんです。

前の会社で「商品をゼロから考える“企画”は私には無理だ」と思っていたので、開発に配属されて良かったと喜んでいたら、その後、「コンテンツ開発部」に異動になって、さらに「企画チーム」に…。
企画になってからはまだ1年です。

転職してきて、仕事の流れは何となく分かったんですけれど、契約書のやりとりはやったことがなかったし、稟議書を回したこともなかったので、企画の仕事は「初めまして」みたいなことが多かったですね。

―「かいじゅうせかいせいふく」のほかに、どんな仕事を担当しているのですか?

今は「もちフレ」※ですね。
オリジナルデザインだと10種類あるのですが、メインは「この作品のこのキャラクターを“もちフレ”にしたい」と版権元様に打診して、許諾をもらって進めていくということをやっていて、今、第3弾まで受注が始まっている状態です。
※もちフレ:動物をモチーフにした、まるっこいデフォルメが可愛いぬいぐるみシリーズ

図面のラフもイラストレーター(ソフト)を使って自分で描いていますが、デザインやイラストは得意分野ではないんで、むちゃくちゃ時間がかかってますね。
実はイラストレーターが使えるようになったのは、壽屋に入ってから。
開発業務で必要になって、学んで、ここまで来てる!って感じです。

―企画の仕事はどんなところが面白いですか?

先ほども言ったように、企画の仕事には苦手意識があって・・・。
でも壽屋に来て、自分が企画をやっていなかったらこの商品は世に出ていなかったんだと思うと、それが仕事のモチベーションにもなっています。
結果的に今は楽しくやれています(笑)。

「かいじゅうせかいせいふく」も、最終的には「コミックNewtype」での連載まで実現できたし、自分がオリジナルキャラクターをつくるならファンシーキャラクターをやりたいと思っていたからこそ承認をいただけたのだと思います。
また、「もちフレに」ついても、自分がやりたいと思って、会社からも承認もらって、商品化できました。

壽屋は「やりたい」と言うことに対して寛容で、やらせてくれる部分がありますね。
私は、この会社に入ってから「こういうのはどう? ああいうのはどう?」と、積極的に発言するようになった気がします。
逆に上から「あれやれ、これやれ」と言われることもない。
作り出していかなければならないという苦労はありますが・・・。

[山田]社長・副社長が「社員にはやりたいことをやらせてあげたい」という思いを持っているからですね。だからやりたいことがある人にとってはとても良い会社、逆にやりたいことがない人にはやりづらい面もあるのかもしれません。

 

―企画を通すために工夫していることはありますか?

私がやっているのは、企画書になるべく具体的に示すことですね。
自分のやりたいこと、商品のイメージは自分の中にしかないので、それを伝えるためには、参考画像を切り貼りして見せるのではなく、ラフでもいいから自分でイラストを描いてみるとか。具体的に「こういうイメージです」というのを伝えられるように工夫しています。

 

―企画の感性はどうやって磨いているのですか?

女性向けの商品を考える場合、Twitterでアニメの反応を見たり、新しいアプリがリリースされたらやってみたり、売場に行って今どんな商品があるのかを見たり、ユーザーのファンアートなどを見たりしています。

あとは、「これは来そうだな」という作品に目を付けたら、開発や営業などの若くて詳しい社員から意見を聞いたりもしますね。
逆にそういう子たちから、「これいまアツイですよ」と教えてもらうこともあります。
本当にコミュニケーションは大事だなと思ってます。

[完]

 

作品情報

作品名:かいじゅうせかいせいふく
原作者:ほしのこ
Twitter : https://twitter.com/kaijyu_sekai
HP : https://charactercreationlab.com/

掲載情報

掲載先:コミックNewtype
HP : https://comic.webnewtype.com/
掲載開始日:1月21日(火)~
作品掲載日:毎月第2、第4火曜日

製品情報

もちフレ:『もちフレ』シリーズ製品ページ

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